「終活」に思う
最近よくTVなどで『終活~しゅうかつ~』という言葉を耳にします。
就活、婚活に引き続き、終活でしょうか?
まあ、言葉の軽さに比べて、中身はかなり前二つの活動より重い内容ですけどね。
ウィキペディアによると
<終活(しゅうかつ)とは「人生の終わりのための活動」の略であり、人間が人生の最期を迎えるにあたってするべきことを総括したことを意味する言葉。主な事柄としては生前のうちに自身のための葬儀や墓などの準備や、残された者が自身の財産の相続を円滑に進められるための計画を立てておくこと>
こう読むと、それほど目新しい内容でもないような気がします。
最近とくにこの「終活」が注目されるようになった原因のひとつに
この10月に41歳の若さで死去した流通ジャーナリスト金子哲雄さんの影響もあるかと思います。
金子さんは、余命宣告を受けたのち、自らの葬儀の準備をすべてご自分でなさったそうです。
通夜・葬儀の内容はもちろん、お花や精進料理、葬儀での挨拶文まで、ご自分が納得できるまで
葬儀社の方と話し合い、決められたそうです。
そういったことが、TVのワイドショーなどで紹介されたからでしょうか
私どもへも、お客様からご自身の葬儀のご相談が増えました。
「金子さんを見習おうと思って。」と仰るお客様もいらっしゃいました。
そして、内容を事細かに決めた後、「あーよかった。これでいつでも安心して死ねるわ。」
と、冗談っぽく笑って帰られるお客様が殆ど。
私どもの返事は 「そう仰らずに、まだまだ元気で長生きなさってください。私どもとはなるべくご縁がありませんよう。」とお答え致します。
昨日も、ご近所の奥様からご予約を受けましたので
「はい、では50年後にご予約承りました!」と言って、二人で大笑いしました。
日本人は昔から「死」に関する話をすることを、忌み嫌ってまいりましたが
自分の最期を自分で決める。 残された者の為にちゃんと考える。
そういった意味で『終活』という軽い感じの言葉であっても
人々が考えるきっかけになるのなら、とても素晴らしいことだと思いました。